背後霊、海月のブログ
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Date : 2024.11.25 [Mon]
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» 赤に染まる紅茶
Date : 2008.09.05 [Fri]
テーブルの上でくるくると回る
メリーゴーランドのオルゴール。
流れ出す曲に耳を傾けていたエルフは
曲が流れ終わると同時に、目を伏せた。
メリーゴーランドのオルゴール。
流れ出す曲に耳を傾けていたエルフは
曲が流れ終わると同時に、目を伏せた。
「…治るまでは、オルゴールは作らない方が良いみたいですね。」
どうやら失敗作らしく、オルゴールをテーブルから下ろし箱の中に仕舞う。
治ってから、手直しをしようと思っているらしい。
テーブルにこてんと頭を預け、目を閉じる。
「思い描く曲が形に出来ないだけなのに。
どうして、こんなに…
……こんなに……何でしょう?」
ぱちりと目を開け、顔を上げて繰り返す。
今自分は何を言おうとしていたのだろうか。
自然と零れそうになった言葉が、見つからない。
「まだ、寝ぼけているのでしょうか…」
昨日だって、知らない間に眠ってしまっていて
気付けば、もう朝だった。
知らない間に疲れていたのだろうか。
ふるふると頭を振って、立ち上がる。
「こんな時は、紅茶を飲んで落ち着かないと…」
―落ち着かなければ『あの子』を守れない。―
浮かんだ姿に、苦しげに目を伏せる。
「仕方がない…ですもの。
これが、私の願いですもの…」
ぽつりと誰にともなく呟いて、紅茶を淹れる。
心を落ち着けてくれる、ひどく安心する香り。
何だか、どうしようもなく
―泣いてしまいそう―
ぎゅっと、手を握り締め唇を噛む。
「…そんなの、駄目です。
私は、泣いて良い立場じゃないんですから…」
美味しく淹れられた紅茶は
けれど、涙の代わりに零れ落ちた紅で
ひどく甘ったるく赤みが強かった。
どうやら失敗作らしく、オルゴールをテーブルから下ろし箱の中に仕舞う。
治ってから、手直しをしようと思っているらしい。
テーブルにこてんと頭を預け、目を閉じる。
「思い描く曲が形に出来ないだけなのに。
どうして、こんなに…
……こんなに……何でしょう?」
ぱちりと目を開け、顔を上げて繰り返す。
今自分は何を言おうとしていたのだろうか。
自然と零れそうになった言葉が、見つからない。
「まだ、寝ぼけているのでしょうか…」
昨日だって、知らない間に眠ってしまっていて
気付けば、もう朝だった。
知らない間に疲れていたのだろうか。
ふるふると頭を振って、立ち上がる。
「こんな時は、紅茶を飲んで落ち着かないと…」
―落ち着かなければ『あの子』を守れない。―
浮かんだ姿に、苦しげに目を伏せる。
「仕方がない…ですもの。
これが、私の願いですもの…」
ぽつりと誰にともなく呟いて、紅茶を淹れる。
心を落ち着けてくれる、ひどく安心する香り。
何だか、どうしようもなく
―泣いてしまいそう―
ぎゅっと、手を握り締め唇を噛む。
「…そんなの、駄目です。
私は、泣いて良い立場じゃないんですから…」
美味しく淹れられた紅茶は
けれど、涙の代わりに零れ落ちた紅で
ひどく甘ったるく赤みが強かった。
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